私たちイーバリューの理念の中には“真っ当”という言葉が掲げられています。これは私たちの大事な信念となっており、社内でも「真っ当」という言葉が飛び交うシーンも珍しくありません。なぜ、私たちは“真っ当”を掲げているのか。そこに至るにはどんな経緯があったのか。本記事では、代表である水野にインタビューをし、その背景と意味に迫ります。
歴史に裏付けされた信念
“真っ当”という言葉には、私たちの歴史が大きく関わっています。2018年に設立したイーバリューですが、私たちのルーツは1955年に創業した水野商店です。私の祖母と父が始めた個人商店で、当時は金属スクラップの回収業を行っていました。業界としてはいわゆる3Kといわれている時代、さらにこの業界ではお客様に対して横柄な態度をとったり、平気で何時間も待たせたりするなど、ビジネスの常識では考えられない話も多く耳にしていました。その中で、水野商店はお客様を大事にする、ということを強みにしていたんです。
当時のエピソードとして、こんな話があります。リヤカーで少量の鉄スクラップを持ち込んだおばあさんに「暑い中ありがとうございます」と冷たいおしぼりを差し出し、少量でも快く対応をしたそうです。実はそのおばあさんは地元の鉄骨工事会社の関係者だったそうで、その後、その会社から出る鉄スクラップ全般を任せてもらえるようになりました。
私が水野商店を継いでからも、そのスタンスを大切に、むしろより重要に捉えていました。身なりを整え、キレイなトラックで訪問する、少ない回収量でも丁寧に対応する、きちんと約束を守る、など。接客業として考えればごく普通で当たり前のことだと思うのですが、業界の状況もあり、こうした取り組みが他社との差別化になり私たちの強みになっていきました。お客様と向き合って、ニーズに応える真っ当さが、安心や信頼につながっていったのです。
▲1955 年(昭和 30 年)創業当時の水野商店の様子。製紙・製鋼原料商として古紙や鉄、銅等の回収・売却を行う。
▲1985 年(昭和 60 年)頃の様子。事業拡大を視野に三重県四日市市午起に移転。(現株式会社ミズノ所在地)
真っ当さが、事業拡大のきっかけをつくってきた
そうやってお客様と向き合い、応えていく中で、新しいニーズが見えてきたんです。当時は産業廃棄物の不法投棄事件が社会問題になっていて、廃棄物処理法の強化・改正によって市場が混乱していました。さらにその先には、知らず知らずのうちに法令違反という環境リスクに晒されている企業の存在も見えてきました。そうしたお客様の声に応えていくうちに、当初の金属スクラップ回収業から、産業廃棄物処理業、さらには環境コンサルティング事業と、どんどん事業が発展・拡大していきました。もちろん、社会の時代背景も大きく関係しています。ただ、目の前のお客様の期待に応えることで、その先にある社会のニーズに応えてきた、とも言えます。お客様が本当に求めているものは何なのか。それを真っ当に追い求め続けたことが、事業の拡大につながったと考えています。
また、こうしたスタンスは今でも脈々と受け継がれています。例えば『Prime College(プライムカレッジ)』という動画教育サービスは、お客様からのちょっとした相談から始まりました。「これはイーバリューさんに頼むことではないかもしれないけど…」と全く別の新しい相談をいただいたのです。そのような相談をいただいたのは、本業で真摯にお客様の期待に応えてきたという信頼感があったからだと思います。「真摯に向き合い、期待を超えていく」という真っ当な仕事で、私たちは進化し続けてきたのです。そして、今なお『法令サポート事業』『デジタル教育コンテンツ事業』『システム開発事業』など、環境の枠を超えたサービスや事業が生まれています。
真っ当とは、王道であること
一言で“真っ当”と言っても、含まれる意味は一つではなく、社員や置かれている状況・心境によって捉え方も様々だと思います。私自身、真っ当とは“王道であること”と考えています。「王道」という言葉には「物事が進むべき正当な道」という意味があります。人は課題に直面したとき、目先の解決のために、変に小細工をしたり、奇策に走ってしまったりすることがあります。ただ、長期的な目線や、自身のありたい姿を考えると、正攻法で挑んでいく方がいい。ズルや楽をして勝とうとするのではなく、本当に大切なことは何かを考えながら愚直に取り組んでいくことが、“真っ当”の指す意味だと考えています。
私たちは、ミッションとして「社会の期待を、ビジネスの基準に。」を掲げています。これまで、目の前のお客様の期待に応えてきましたが、これからはさらにその先にある、社会の期待に応えるフェーズ。より多くの、そして大きな期待に応えるべく、さらなる進化をしていかなければなりません。
しかし事業が変化し、その内容や規模が変わっても、この“真っ当”という信念は変わりません。大きなビジョンである「誇りで、社会を、満たす。」に向かって、これからも真っ当に走り続けます。