知識ゼロから2年半でシステムを開発。高い目標を超える原動力は何か?

 

初の自社開発システムの責任者として、知識ゼロの中からスカウト型就活アプリ「Metsukete(ミツケテ)」を作り上げた宮田吉朗。大きな成果の裏側では「正直、難しい…。」「なかなか思うようにできない…。」と涙を流したこともありました。達成感、悔しさ、色々な想いを抱えながら歩んできた軌跡に迫ります。

きっかけは先輩からの「向いてるんじゃない?」の一言

この1年は就活アプリMetsukete(ミツケテ)のリリースのために、業務の9割くらいはシステム開発をしていましたね。その他には、プログラミングを用いて人が行っていた単純作業を自動化させる等の業務を行っていました。

プログラミングを始めたのは、先輩から「宮田は、プログラミングに向いているんじゃない?」とお伝えいただいたことがきっかけです。ちょうど、2年目を迎えたころから、勉強を始めました。

当時のイーバリューは、サービスとしてシステムの提供をしていましたが、開発部分はアウトソーシングしていました。そのため、社内にプログラミングが分かる人は1人もいませんでした。なので、独学で知識をつけ、なんとか単純作業の自動化ができるレベルになりました。一番大きい成果は、自社採用業務の自動化ですね。今まで社員一人が半日掛けて行っていたリスト抽出の業務が、1~2分くらいに短縮することができました。

 

自分の将来に悩んでいた頃、システム開発の担当者に抜擢

自動化分野では、成果を出せたからこそ「これ以上、自動化の分野を勉強しても能力の上がり幅は、微々たるものしかないんじゃないか」「じゃあ、僕は次に何をやるんだろう?」と悩んでいました。

会社として求められているのはシステム開発だとは分かっていましたが、システム開発はそもそも自動化とは別分野なうえに、何十倍も難しかったんです。もちろんシステムをつくった経験なんてないですし、知識もなければ設計方法すら分からない。そんな中、一人じゃ無理だと思っていました。ちょうどその頃、そんな胸のうちを社長に相談したことがあったんです。

「自分の将来を考えて、少し行き詰まっています。」と相談したところ、社長から「構想段階だけど、自社でシステムをつくろうと思っていて、その開発を宮田にお願いしようと思っている。」とお伝えいただいたんです。その話を聞いたときは「正直、いきなりシステム全部を開発するとか、目標が極端に高すぎる。どうしよう…。」と思いましたね。

その後、正式にMetsukete(ミツケテ)の開発依頼をいただきました。システムのリリースは1年後の2022年9月1日。システムをつくる実働部分に関しては、初心者の僕一人で進めていくという体制でプロジェクトがスタートしました。システムの企画構成部分は、社外のエンジニアの方にコンサルティングしていただきましたが、プログラミングコードを教えていただけるわけではないので、分からないコード等があれば自分で調べて解決するしかありません。

そもそもシステム開発をするためには、今まで僕が勉強していた自動化分野の知識は使えないので、システムに特化したプログラミング言語を一から学ぶ必要があったんです。例えば、ボタンを押したら光るようにする機能をつくるとなれば、JavaScriptという言語を学ぶが必要があります。その他にもPHP、HTML、CSS、サーバーの知識、データベース等、本当にたくさんの知識が必要でした。

 

 

高すぎる目標と周りからの期待。出来ない自分に悔しくて涙が出た

ありがたいことに社長を含め周りのみなさんが「宮田ならできる。」と思って下さっていたと思います。でも正直、僕自身は「自分の能力的にも今回は本当に厳しいんです…。」と思っていました。

社外エンジニアの方からも「宮田さん、このシステムを作るには、時間もスキルも足りていないです。この1年、本当に厳しい戦いになりますよ。」と告げられました。自分でも「今からこのシステムを普通に作ったら、完成まで2年くらいは掛るだろう。」と思いましたね。

そこで「2年掛かるんだったら、活動量を2倍にすればいいじゃん。」と考えたんです。もともと僕は、業務以外で4時間プログラミングの勉強をしていたので、それを2倍にして8時間をなんとか捻出していました。

それでも、今だと2分くらいでかけるコードが、分からず3日間止まったことがありました。そんな調子で、コードを書いては消してを繰り返し、文献を読んで知識を入れてを繰り返していましたね。この1年で書籍は30~40冊くらい読んだと思います。奮闘する日々の中で「開発は進まず、分からないことだらけ。1年もこんな状況が続いたら、本当に間に合わない…。」と不安がよぎり、できない自分が悔しすぎて泣いたこともあります。すぐ止めましたけどね(笑)

そんな頃に、社外エンジニアの方に改めて「このシステムを作り上げるということは、どんなレベルですか?」と聞いたんです。そしたら「エンジニアとして誇っていいですよ。」と言われました。それを聞いた瞬間、何とか作りあげて「絶対、誇ろう!!」と思いました。

とはいえ、今年の4月くらいまでは、ぼんやりとログインやオファーができる程度しか開発が進んでいませんでした。

 

絶対に成功させたい!自分に言い訳はしたくない

リリース直前は、かなり時間をきりつめて開発を進めていましたね。12時に寝て、3時半とかに起きてまた開発をして…みたいな日々を過ごしていました。

そして、リリース予定日の9月1日。無事システムを世の中に放ったときは「やった!つくりあげた!」というやりがいとともに、色々なことを思いだして感動しました。今まで自分が努力してきたことや悩んだ時期などが一気に蘇ってきて。2年間勉強してきて良かった!って思いましたね。

システム開発が始まるまでは、プログラミングの勉強をしていること自体の「プロセス」を会社から評価されていたと思います。でも今回初めて、期日までにシステムを作り上げるという「成果」を求められるようになって、評価される基準が変わったと思いましたね。

システム開発って、エンジニア自身のスキルに依存する仕事なので、自分の頑張り次第でどうにかなるんですよね。例えば、営業の仕事だと、お客さんの費用感やニーズが合わなかったら、案件が取れなかったということはあると思うんです。

でも、システム開発の場合は「エンジニアの技術がなかっただけでしょ。」と言えてしまいます。それは僕自身のプライドが許せなかったんです。だからこそ「求められていることを絶対成功させたい!」という思いと「できなかったときに、自分に言い訳はしたくない」という気持ちが大きかったですね。

なので、イーバリューの「自社開発システム」をつくりあげたという、会社の歴史史上初のものを達成できたのは、とても嬉しかったです。

そして、2022年の社内表彰式では「システム開発特別賞」をいただきました。受賞できてめちゃくちゃ嬉しかったですね。今回は自分を含めて4名がトロフィーをいただいたのですが、他の賞とひとつ格が違う形で表彰していただけたことも嬉しかったです。「システムを作る!」という目標を掲げて、プログラミングを始めてから2年半くらいでしたが、頑張って良かったなと思いました。トロフィーは、毎日見えるところに飾っています!

 

 

「IT」を事業化して、責任者になる

今後は「IT」を10プレ計画(2027年までに10人の社長と10の会社をつくる中期経営計画)の柱として事業化することが目標です。これは社長にもお伝えしました。

今は僕しかシステム開発のノウハウを持っていない状況で、それって会社としても脆弱だと思うんですよね。今後、それが原因で事業として成り立たなかったり、何かあったときにもリスクになったりする可能性もあると思います。だからこそ、後輩や今後入ってくるメンバーにノウハウを伝えて、チームとしてシステムを開発をできるような環境を作っていこうと考えています。

その目標を達成するためにも、一生勉強し続けないといけないと思います。今、良くも悪くも一番スキルを持っているのは僕なので、その僕が勉強しないと会社全体のITスキルが落ちてしまう。逆に、僕がすごくスキルをつければ、会社としてのスキルは上がると思うんです。

そのためには、プログラミング分野で圧倒的なスキルを持って責任者になりたい。そして、イーバリューとして「IT」を事業化させたいですね。

 

 

プロフィール

神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科卒。現在は、システム開発事業のリーダーとして、WEBアプリ開発、簡易版RPA構築、WEBサイト制作等を手掛ける。

 

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