セルフマネジメント型組織とは?私たちの組織のあり方をご紹介。

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「社員が自発的に行動してくれない!」

「自分から行動しても上司から反発されてしまう。」

「他部署の人との連携がうまくいかない。」

企業という組織において、このような課題感を持っている方は少なくありません。特に、ビジネスの流れが加速している現代では、従来の「階層型(ヒエラルキー)組織」に代わり、「セルフマネジメント型組織」に注目が集まっています。

私たちイーバリューも、数年前からセルフマネジメント型組織を取り入れた企業のひとつ。そこで本記事では、セルフマネジメント型組織とはなにか、ということを弊社での事例を紹介しながら、これからの組織のあり方について考えていきます。

1:セルフマネジメントは、個人ではなく組織のマネジメント形態

そもそもセルフマネジメント型組織(自主経営)とはなんでしょうか。日本語としてのニュアンスから、「自己管理」と受け取られてしまいがちですが、実は異なります。

セルフマネジメントとは、個人が誰かの指示を受けることなく、適切なメンバーと連携しながら対応していくこと。個人個人が目的を理解し、自ら考え、自ら意思決定して行動していく組織のことです。

ポイントは、あくまで個人ではなく、組織のマネジメント形態という点です。これまで一般的だった階層型組織では、指示・命令は上から下へと伝達されていきます。役割が明確かつ仕事の流れが順序立てされる一方、情報や指示の伝達に時間がかかるというデメリットがありました。

一方でセルフマネジメント型組織では、それぞれの個人同士が有機的につながりを持ちます。上司・部下といったこれまでの上下の関係がなく、会社全体を大きな一つのチームや家族として捉えていきます。

2:セルフマネジメント型組織のメリット・デメリット

では次に、セルフマネジメント型組織のメリットとデメリットについて、私たちの事例も交えながらご紹介します。

2-1:<メリット>伝達スピードと質の向上

1章で述べたように、従来の階層型組織では、指示・命令がトップダウンで伝わるため、伝達にタイムラグが発生してしまいます。また、トップ(経営者)からボトム(従業員)まで、情報を介する人物が多いと、その分情報の質や密度が低下する恐れもあります。

対して、セルフマネジメント型組織では、各個人同士が状況やシーンによって直接つながるため、情報伝達のスピードと質の向上が期待できます。ただし指示・命令系統がないため、仕事において自分にない知識や専門性が必要になった場合、意見や相談を求める先も自分自身で決定する必要があります。

2-2:<メリット>生産性の向上

上司・部下という関係があると、仕事において指示・命令が発生します。他人から指示を受けた仕事は「やらなければならないこと」となり、生産性が低下します。

一方で、セルフマネジメント型組織では、業務をやる・やらないという決定も自分自身で行います。この自己決定がポイント。自分でやると決めた仕事は自分ごと化されやすく、そうした仕事は生産性が高まりやすくなります。

ただし、組織において、すべての仕事が自分の得意なこと・やりたいことだけになるとは限りません。イーバリューの場合、どうしても苦手意識があるものや、不得意なものは手放すように促しています。

Aさんにとっては不得意なものでも、Bさんにとっては得意なこと、という場合があるからです。組織である以上、メンバーにはそれぞれ違う専門性やスキル、知識があります。セルフマネジメント型組織とは、会社を大きなチーム・家族として捉えるため、組織としての強みを活かしていくのです。

2-3:<メリット>創造性の向上

従来の階層型組織では、アイデアや創造性の高いものが生まれにくいと言われています。上下の関係が生まれ、「上司に否定される」「意見が言いにくい」という状況に陥りやすいためです。

セルフマネジメント型組織では、こうした上下の関係がないため、自由闊達に考え、意見を出せることから創造性の向上が期待できます。

ただし、事業や業務内容によって向き不向きもあります。工場での作業といった、決められた内容を着実に行うような仕事の場合は、指示・命令系統が明確な階層型組織の方が向いているとも言えます。一方で、新しいアイデアを生み出したり、業務内容の変化が激しい仕事においては、セルフマネジメント型組織の方が向いていると考えられます。

2-4:<デメリット>自己判断による間違った解釈

セルフマネジメント型組織は、一人ひとりが企業のミッションやビジョンを理解していることが前提です。そうでない場合、個人個人が自分の都合で物事を判断してしまい、企業として意図しない結果になることがあります。

自社に明確なミッションやビジョンがない場合、または社員に浸透していない場合はセルフマネジメントを行うことが難しくなるため、ミッションを策定する、浸透させるといった事前の対応が必要です。

2-5:<デメリット>情報共有の難しさ

セルフマネジメントにおいて、情報共有には注意が必要です。上司や先輩が仕事の進捗を確認したり、管理することがないからです。そのため、自分から情報発信をしない人の場合、周囲からは見えづらくなることがあります。イーバリューでは社内SNSを活用することで、情報共有に意識的に取り組んでいます。

また同様に、新入社員や経験の浅い社員に対して、セルフマネジメントを任せることにも難しさがあります。イーバリューでは、ブラザーシスター制度という新人育成方法を併用することでカバーしています。管理ではなく、あくまで仕事の進め方や考え方の指導といった点に注意しつつ、別の仕組みと併用して工夫をすることも必要です。

3:私たちの導入事例とポイント

次に、実際の導入とその流れとして、私たちイーバリューの事例をご紹介します。

3-1:従来型マネジメントの限界

私たちがセルフマネジメント型組織を導入したのは、従来の階層型組織のマネジメントに限界を感じていたからです。2章でお伝えした通り、階層型組織は、作業的な要素が大きい仕事の場合に有用です。しかし、創造性を高めようとした場合、このマネジメント手法では難しさがあります。

イーバリューでは、事業内容が変化し、より創造性が求められる業務が増えていた時期でした。上から下へと指示・命令が下りる形では、新しいアイデアを生み出したり、スピード感を持って対応することができなくなりました。さらに、事業内容が広がるにつれ、必要なスキルや経験にも変化が起こってきました。多様な個性を持ったメンバーをマネジメントするためには、トップダウンでは限界がある。そう考えた結果、セルフマネジメントを取り入れることになりました。

3-2:導入内容と懸念点

これまでの組織体系は、大きく分けて2つの部署に分かれていました。そこで、セルフマネジメント型組織を導入するにあたり、部署を廃止。さらに上司・部下という関係をなくし、それに基づく役職と役職呼びを廃止しました。

特に役職の廃止については十分注意をしました。従来型の組織には役職が生み出すメリットがあるとも言われており、「〇〇部長」「〇〇課長」と呼ばれることで、意識づけがされます。いわば、「役職や立場が人をつくる」という利点もあるからです。また、廃止するとなると社内の混乱や反発が起きる可能性もありました。

そのため事前に、役職を担っている一部のメンバーに相談。しかし、心配に反して「それが会社のためになるのであれば、全く構いません」と快諾したそうです。また、役職は廃止しましたが、人事評価制度や社外向けとしての役職は使用。組織がより円滑に進むような仕組みにアレンジしています。

3-3:導入から定着まで

導入当初は少なからず混乱が起こりました。元の上司に判断を仰ぐ、役職づけで呼ぶなど、従来のやり方を引きずってしまうシーンも多々ありました。また「それはセルフマネジメントと呼べるのか」という行動もあり、その都度議論が起こることも。

しかし、1年〜1年半と続けることで、そうした議論や問題も出ることがなくなり、定着してきたと言える状態になりました。「今日からセルフマネジメントです」と伝えても、人はすぐに変わるものではありません。長期的な視点で継続し、全体で議論していくことが、組織制度の定着に大事なことだと言えます。

4:まとめ

いかがでしたでしょうか。

最後にポイントをあらためてお伝えしておきます。

・セルフマネジメント型組織とは、自ら考え、自ら意思決定して行動していく組織のこと。上下の関係がなく、会社全体を大きな一つのチームや家族として捉える。

・階層型組織は作業など与えられた仕事を的確に行う仕事に向いている。セルフマネジメント型組織は創造性が求められる仕事に向いている。

・導入にあたっては、長期的な視点で継続していくことが大切。

時代の流れによって、組織のあり方も変化していきます。私たちが取り入れたこのセルフマネジメント型組織も、今後さらなる変化が必要になるかもしれません。私たちが掲げる「MAKE NEW STANDARD.」はこうした変化の先にあると考えています。これからも常に組織のあり方を考え続け、新しい基準を社会に提供していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

私たちの取り組みが、よりよい組織マネジメントの一助となれば幸いです。