人材がポストやポジションをつくる。新しい適材適所とは?

一般的に、人材ポートフォリオとは、組織を動かすためにどのポスト・ポジションに、どのような人材をどの程度配置すればよいかを考えていくものです。つまり、ポスト・ポジションに人を当てはめていきます。一方、イーバリューでは既存のポジションにとらわれることなく、その社員にどんな仕事が向いているか?という観点で担当業務を決めていきます。さらに、必要な場合には、社員の特徴や強み・弱みに応じて新たにポジションをつくります。その根本には、社員が充実した仕事人生を送るためには、実力を十分に発揮できるステージが必要だという考えがあります。今回は、人材についての考え方にも触れながら、イーバリューの“適材適所”の運用と採用活動について、ご紹介していきます。

イーバリューの“適材適所”

イーバリューでは入社後、適性配置を探しながら教育を行います。 “適材適所”を重視しており、会社としての中期目標の設定とセルフマネジメント型組織の採用という独自の方法でそれを追及しています。

あらゆる人が最高に輝けるステージをつくる

私たちは「2027年までに10のグループ会社と10人の社長をつくる」という中期目標を掲げています。それを目指す理由の一つは、適材適所の「所」を増やす、つまりポストやポジションを増やすことです。例えば、社長になりたいと志した社員がいたとしても、1社であれば社長は1人です。努力や実績、実力があっても、2人以上が社長になることはできません。また、人にはあらゆるポテンシャルがあります。一つの事業や、類似の事業だけでは発揮しきれなかった才能が全く別の事業で開花することもあります。私たちの中にも、新たな事業のスタートがきっかけで頭角を現したメンバーも多くいます。業界やサービスが異なれば、営業やマーケティングの方法が異なり、さらにそれらのマネジメントのためのリーダーシップも変わってきます。会社が増え、事業や業務の幅が増えれば増えるほど、多様性に富んだあらゆるメンバーが、それぞれの強みを活かすことができ、適切な場所で努力し、自己研鑽することができます。結果として、楽しみながら没頭できる仕事や自分が輝く場所を手に入れられるようになっていきます。

ポジションに人を当てはめない。人がポジションをつくる

イーバリューでは、部署を設けずプロジェクト制で業務を行う“セルフマネジメント型組織”を採用しています。従来型の組織体系では、部署に配属され、その部署の仕事を行います。一方、セルフマネジメント型組織では部署ではなく、その人の特性や目標・やりたいこと、実績や、努力の度合い、「あなたに参加して欲しい」というプロジェクトからの指名などによって仕事を決めていきます。そのため、全く分野の違う仕事を掛け持ちしたり、その人の特性に合わせて今まではなかった役割やポジションが生まれたりしていきます。

セルフマネジメント型組織ならではの人材配置のケースをご紹介します。

ケース1:社内初のシステムエンジニア。得意を磨いて仕事に

 

1年目の終わり頃、エクセルの関数が得意だったことから、先輩のすすめによりプログラミングの勉強を始めました。1年後には社内業務をシステムによって自動化し、3年目の現在では自社システムの開発に挑んでいます。それまでイーバリューでは、システム開発はパートナー企業へ外注していたので、初めてのポジションです。このポジションに至るまでには、新規営業や経理も経験。新規営業では、現場の空気感を肌で感じたり、顧客ニーズを押さえたりという観点を学び、経理業務では、自分自身が大量の事務処理作業に苦労した経験が社内業務の自動化に活かされました。

ケース2:COO(最高執行責任者)を目指して。10以上のプロジェクトに参加

 

大小含めると10以上のプロジェクトや施策に参加している社員もいます。環境コンサルティングのコンサルタントとして業務を行いながら、立ち上げ直後のプロジェクトにおける施策の提案や、若手の営業スキルのトレーニング、既存プロジェクトへの改善提案、社内研修の講師などを幅広く行っています。新たなプロジェクトや施策を進める上で、誰もやったことがないポジションを埋める役割を担っています。中期目標の達成に向けて、本人は「10人の社長全員のCOO(最高執行責任者)になる」というビジョンを設定し、その足掛かりとして様々なプロジェクトに尽力しています。

このように、セルフマネジメント型組織の中で、新たなポストやポジションが生まれています。

得意領域で活躍するための努力

ただし、得意領域で活躍するまでには、本人の努力も必要になります。入社後に実務の中で適性を判断していきますが、そのためにはどんな業務にも全力で取り組む必要があります。新入社員にとっては、未経験の仕事ばかりです。失敗や苦手意識というハードルを越えて、粘り強く継続することで本当の適性が分かります。そのため、自身の得意分野を確立するためには、2~3年以上かかることがほとんどです。その間、目の前の仕事にベストを尽くし、様々な業務経験をすることで、自身の得意領域が見えてきます。

また、掛け持ちや担当業務の幅が広いと、「業務量が多いのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。目安として3年目前後から、自分自身の強みや得意領域が確立されます。得意なこと、かつ、類似業務を行っているため、本人の努力次第でスキルを磨き、短時間で高いクオリティの仕事ができるようになります。そのため、一見所属プロジェクトが多く見えても、業務量としては適正化されています。

部署や役職に人を当てはめるのではなく、人の特性や活動の実績からポジションが生まれるため、社員の強みや能力を最大限活かすことができます。また、プロジェクトの掛け持ちや、柔軟なプロジェクトメンバーの変更により、あらゆるメンバー間でコミュニケーションが生まれます。そのため、組織全体の一体感や、他プロジェクトメンバーの客観的な意見から業務改善や新たな施策が生まれたりすることで、組織の成長速度も加速します。一般的に課題として挙げられることも多い、“部署やチームの壁”や“派閥争い”も生まれません。

イーバリューの採用活動

続いて、画一的なチームやポジションがない中でどのような基準で選考をしていくか?など採用活動について紹介していきます。

妥協しないために、採用人数を目標にしない

私たちは採用目標人数を設定していません。良い人材がいれば採用し、いなければ0でも良いという考え方です。売り手市場の年でも採用基準を下げることはしませんでした。例えば、売り手市場だからといって妥協して採用をするとどうなるか?入社したメンバーは、能力や価値観の部分で周囲についていくことができず、退職リスクが高まります。それは本人にとっても会社にとっても不幸なことです。

また、業務や、各部署からの要請によって採用目標人数を決めると、その数値の達成が採用担当者たちのミッションになってしまいます。すると、入社後に活躍できるかどうか、自社の価値観と合っているかどうかという点よりも、まずは頭数を確保しなければならないという思考にもなりかねません。そのため、単純な採用人数を目標にするのではなく、入社後に自社で輝ける人材を採用することを目標としています。

選考中のコンテンツは9~12  ベストマッチングのために

選考時には、入社後に輝けるかどうかを様々な角度で確認します。また、イーバリューの価値観や働き方を応募者に適切に伝え、「自分がここでやっていけるか」を見極めてもらうためにも、多くのコンテンツを用意しています。

 

三次選考以降は、応募者によって選考内容を変えることもあり、全てのコンテンツを合わせると9~12になります。そして、この選考フローを通して、主に以下の3つの要素を確認しています。

①価値観の一致

②タイプとタイプ別に必要な能力の確認

③イーバリューで必要な基礎能力

最も重視するのは、価値観の一致です。イーバリューには、ミッションや、ビジョン、バリューの他にも様々な価値観や風土があります。「アクション」や「マインド」という名称で明文化しているものもあり、それらに共感していけるかどうかを確認します。全選考過程を通して、細かく確認し、ミスマッチが起きそうな部分については、面談などを通して直接本人に確認することもあります。

また、本人の特徴から、タイプや入社後の活躍領域を見極めます。そうすることで、選考中に確認すべきポイントが明確になります。

例えば、以下のようなタイプに分け、選考の中で、社内で応募者の強みが発揮できるかなどを確認していきます。

▼戦略的で論理派 ロジカルタイプ

・分析をしたり、計画を立てたりすることが得意

・客観的で冷静に物事を判断できる

・全体を見渡し、参謀的に動くことができる

▼周囲を引っ張る アクティブタイプ

・行動的でエネルギッシュ

・決断力があり、ペースが速い

・リーダーシップがあり、周りのコントロールが得意

▼アイデアで切り拓く クリエイティブタイプ

・企画やアイデアを閃くのが得意

・好奇心旺盛

・人と活気のあることをすることが好き

 

例えば、アクティブタイプであれば行動力を図りますし、ロジカルタイプの場合は論理的な思考の高さを見ていきます。ときどき内定者から、「他の学生が論理的にディスカッションをしていたけど、自分は感情や気持ちの話ばかりしてしまったので落ちたと思った…」という話を聞くことがありますが、それはタイプごとに見ている観点が違うからです。例えるなら、チーターに泳がせることはしない、ペンギンに走らせることもしないという考え方です。

この見極めを行うことで、能力の平均点の高い人材だけではなく、一長一短の人材も活躍できるイメージをもって採用することができています。能力値をレーダーチャートにして考えると、全ての項目である程度の点数をとっている人材ではなく、低い項目も高い項目もある、チャートが尖って見える人材を選びます。尖ったチャートをもつ人材がそれぞれの“角”をもちよって、欠点を補完し、会社全体でチャートの大きさを広げる。そういった考え方をしています。

 

加えて、イーバリューで必要な基礎能力を確認します。仕事力・多様性力・変化対応力などは、業務を行ったり、コミュニケーションを取ったり、会社の方向性を理解したりするための最低限の能力です。

このように、あらゆる角度から選考を行います。その結果、活躍イメージがつき、かつ、学生もイーバリューについて十分に理解し志望度が高まっている場合にのみ、内定を出します。そのため、内定倍率は約100倍になることもあります。

 

 

まとめ

イーバリューでは、自社で能力を発揮できる人材を厳選し、その後はその人材に最適なポストやポジションを増やし続けることによって、多様な人材が本来の力を発揮できる場を提供しています。もちろん、そこに至るには本人が様々な努力をし、自己研鑽に励むことが必要です。そして、それが市場のニーズや世の中の変化に柔軟に対応できたり、個人の役割を制限しないことで、新規事業の立ち上げが活発に行われたりするなど、個人の活躍が会社全体の成長にもつながっていきます。

イーバリューでは、“新たな適材適所”の考え方を土台に、各社員の能力を最大限発揮し、お客様をはじめ社会の期待に応え続けていきます。

 

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